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7月24日 プリンセス天功、イリュージョンで事故
プリンセス天功、イリュージョン失敗で全身打撲 7月23日15時43分配信 オリコン
イリュージョニストのプリンセス天功が、昨日22日(日)に福井県鯖江市で行われた『プリンセス天功スーパーイリュージョン(2007サマーツアー)』の昼の部上演中に機材トラブルで全身打撲を負っていたことが分かった。今朝、所属事務所が公式ブログ上で公表した。
今回のトラブルは『決死のスパイク・イリュージョン』というエスケープイリュージョンの最中に発生。刃渡り10センチ、長さ80センチの金属製刃物、計20本に左右から強い力で挟まれ、あと1センチで右目に剣が突き刺さる状態だったという。
トラブル発生後も約30分間イリュージョンを敢行するも、主催及びスタッフの判断により公演は途中で打ち切りとなり、天功は鯖江市内の総合病院に搬送。検査処置後、すぐの帰京と再度の検査を勧められ、昨日深夜主治医のもとに到着。現在、強度の全身打撲状態で、頭部、胸部、腹部に強い痛みがある状態だという。
今後の振り替え公演の対応など、詳細はホームページ等で発表される。
感想:痛ましい事故であるが、十分休養して、全快することを祈っている。 以前、福井にいたときに、一時期、プリンセス天功にのめりこんでいたことがあった。下記はそのころのものである。
プリンセス天功・引田天功
ドクター乱夢が引田天功に惹かれる
「引田天功スーパーイリュージョンin武生」を一人で見に出かけた。1時間半のマジックショーであったが、あっという間にすんでしまった。次のショーはブルネイにいき、そこの王様の誕生日のために公演するそうだ。観客参加の催しもあったが、僕には手をあげる勇気がなかった。子供たちが楽しくプリンセス天功とトランプゲームをやっていた。彼女に直接ファンレターを手渡すのは無理だと僕は判断した。天功グッズを販売しているところへ行き、お客が5ー6人になった時、マジックグッズを買ったついでに天功シャツを着ている男性(東京魔術団の団員か?)に頼んだ。
”ファンレターなんですけど、渡してくれませんか?” ”天功さんですか?” ”そうですが、いいですか?” 親切にも、彼は、 ”いいですよ”と答えてくれた。 ”よろしく御願いします。”と図々しく御願いした。誰もそんな事をしていなかったが、恥を省みず、僕は彼にファンレターを手渡した。天功さんに届けられるであろうか?読んでくれるであろうか?レスがあるだろうか?
瀬名秀明氏の『Brain Valley』の宣伝をしておいた。小説『イエスの遺伝子』の話も書いておく予定であったが、今回はいれなかった。僕は『イエスの遺伝子』ー『ディズニー映画』ー『プリンセス天功』(Guardian of Magicというアニメの主人公でアメリカでヒットしている)ー『Brain Valley』ー『ディズニー映画』という連想で、『Brain Valley』がディズニー映画になるといいなと思ってみたのだ。
NHK番組での引田天功
NHKの昼の番組に彼女が出演しているの見た。遊覧船から脱出のビデオがスクリーンで放映されたが、遊覧船が爆発を起こし、プリンセス天功が失神した状態で救出されていた。今まで5回救急車で運ばれたことがあり、そのうち3回死にかけ、血液透析も受けたことがあるそうだ。プリンセス天功には、これからはこのような危険な脱出のチャレンジはやらないでいただきたいと願う。そうしないと、一代目の引田天功と同じ運命をたどるだろう。日本でそういうような企画があっても断って欲しい。英語でのショーはリズム感もあり、衣装も素晴らしく、勿論、プリンセス天功の魅力も筆舌に尽くしがたい程だった。今後、医学の世界でもお会いする機会が訪れることを念願している。けちけちせずに、『Brain Valley』の本そのものを渡すべきだった。彼女はブルネイへ行く機内で読書できたかもしれないと思うと後悔してしまった。
追加のコメント 最初は引田天功だ。以前にNHKの番組のトップランナーで見て、ファンになってしまった。一代目の引田天功は脱出のチャレンジで、テレビに出ていたのを見たことがあるが、確か心筋梗塞で急死、しばらくして、彼のアシスタントをしていた彼女(本名:板倉まりこ)が二代目としてデビューした。その後、彼女を見かけなくなったと思っていたら、アメリカでマジックの修行、テレビ出演、1990年にマジックアカデミー賞を女性として初めて受賞した。プリンセス天功としてアニメもあり、超人気のマジシャンに大変身していた。
彼女は目茶苦茶忙しくて、恋愛もする暇はないと言われていた。僕が彼女にひかれたのは、その容姿、しゃべる雰囲気、素直、率直性、豊かな演技、マジックのすごさなどだが、今回、また感激してしまった。マジックの内容を睡眠中の夢で見るそうだ。現在演じているのは、ストックしてある分のごく一部にすぎないらしい。sleeping prophetとして、エドガー・ケイシーが有名だが、彼女は夢から新しい情報を得てくるのだ。
僕は彼女の睡眠脳波、脳血流、機能的MRIなどの検査をして、その創造性の秘密を知りたい誘惑にかられた。夢は連想ゲームのようであり、ほんの五分間居眠りしただけなのに、数時間もの夢をみていることもあり、不可思議な世界だ。夢の機能はいろいろあるが、夢の世界がスクリーンに現れるような脳科学の進歩があると面白いと思う。『Back to Future』の映画が出る前に10年以上前、僕が見た夢で未来世界にもう少しでいけそうな場面があり、その時に未来の百科事典を手に入れたいという衝動にかられたが、巨大な高い壁があり、その壁を乗り越えれなかったことがある。若い頃は『夢判断』と言う本を手元においておき、目がさめたら夢の深層心理的解釈を読んでいた。フロイト学派の書いた本で、ほとんどが性に関連する夢であった。
プリンセス天功をさらに好きになった理由がまだある。彼女は驚いたことに、アメリカの大学の医学部に合格したのだ。受験勉強はアメリカと日本を行き来する飛行機の中で一生懸命やったそうだ。彼女は医学部に入って何をやりたいかの質問に、脳の勉強がしたいのですと答えたのだ。びっくり仰天!すごい天才マジシャンで、脳の専門家になりたいとは!彼女の放つオーラが輝いている。是非、彼女が被験者になって、夢の世界でどのようにアイデアが生まれるかを解明できれば面白いのにと想像した。
ドクター乱夢の夢想
小説『Brain Valley』の中の広沢の姿が浮かぶ。広沢は鏡子を研究したが、広沢が僕で鏡子が引田天功さんで僕が最先端の機器を使い、彼女の脳の研究をする妄想にとらわれてしまう。ドクター乱夢博士、プリンセス天功の脳の秘密を解明!?
また、Autograph Collector OnlineにPrincess Tenkoのことが記載されていた。
「Princess Tenko: the most famous female magician internationally. Known for her dangerous escapes and a children's television cartoon series, she is tough to get through the mail. 」
彼女はもてもてらしくて、かなりの偉い方や有名人からのプロポーズもあるそうだ。1998年にアメリカの大学の医学部に入学したので、他の人に学生証を見せるのが楽しみだそうだ。やはり、脳の研究をしたいと、何年かかってもいいから何とか卒業したいと言っていた。マジックのアイデアはやはりすべて夢で見るそうだ。神経内科医になるのか、心療内科医になるかは興味があるところだ。
格言集を集めたHPがあり、驚いたことに彼女の言葉が載せてあった。
Do what you think is best for you and follow your dreams. Don't listen to negative comments from anyone else. When you decide on something, just go straight for it and keep at it until you get it. (Princess Tenko )
プリンセス天功の脱出の番組
フジテレビ様 前略、先日のプリンセス天功の脱出の番組を見ました。ドキドキはらはらの展開でしたが、このような危険きわまる番組の企画はこれで最後にしていただきたい。一代目引田天功氏は、このようなストレスに満ち満ちた脱出イベントを繰り返すことにより、若くして心筋梗塞にて急死してしまいました。彼のかわいいアシスタントは二代目を襲名し、また何度かの危険な脱出の挑戦を行いました。
NHK番組のスタジオパークに彼女が出演していた時にも次のようなエピソードが披露されていました。今回のテレビでも、その場面が放映されていました。 遊覧船から脱出のビデオが放映されていました。遊覧船が爆発を起こし、天功さんが失神した状態で救出されていました。今まで彼女は5回救急車で運ばれたことがあり、そのうち3回死にかけ、血液透析も受けたことを告白していました。僕がこのNHK番組を見た時に思ったことは、彼女が今後このような危険な脱出のチャレンジは絶対にやらないでいただきたいということでした。そうしないと、一代目の引田天功氏と同じ運命をたどると思うからです。日本でそういうような企画があっても、是非断って欲しいと願っていました。でも、フジテレビは特別番組を組んで、やってしまいましたね。彼女はまた、しばらく入院しているのではないでしょうか?21世紀になってから、プリンセス天功にこのような危険な試みをさせる特別企画を作らないようにお願いします。
彼女は日本の誇る世界一のイルージョニストであり、将来、脳と心の関係を探っていきたいと思っている医学生でもあるわけですので、大切な彼女の将来を台無しにしないでいただきたいと思います。
プリンセス天功へのメール
プリンセス天功様:
先日の脱出のチャレンジを心を痛めながら見ていました。無事に生還してほしい。もし無事に生還したら、これからは2度とこんな危険極まりないことをやらないでいただきたいと思いながら見ていました。悲壮な表情を見ていると、本当に大丈夫かなと心配していました。失神状態で救出されていましたが、高さ12Mのところから落下したわけですから、むちうち症候群を起こしたのではないかと心配しております。一時入院安静治療を受けているのでしょうが、頸部や手足のしびれはないでしょうか。
天功さん、アメリカの医学部には通っておられるのでしょうか?それとも、休学されているのでしょうか?
ところで、7月20日から始まる勝山恐竜博に来られるとのことですが、非常に期待しております。
PS:「恐竜エキスポふくい2000」のオープニングイベントにプリンセス天功が出演します。恐竜エキスポでは「ダイナリュージョン2000」として大掛かりなオリジナル作品を公開するそうです。1990年には日本人として、また女性としても初めて「世界マジックアカデミー大賞」を受賞。1995年からは、米国アニメシリーズ「TENKO」の主人公モデルとして、キャラクター人形とともヒットした。
「恐竜エキスポふくい2000」の「恐竜エキスポ応援団」のメンバー
山根一眞、福田繁雄、竹内均、川藤幸三、三屋裕子、俵万智、大和田伸也、五木ひろし、越前屋俵之助、清水國明、川本真琴、引田天功
勝山恐竜エキスポ
プリンセス天功が、また福井へ来る!7月20日の初日に是非出ようと思う。今度こそ、直接話せるチャンスがあるかもしれない。勝山だと、コネで何とかなるかもしれない。それまでに、本を出版することが一番の早道かもしれないが。
ところで、大学受験用の本を読んでいたら、福井医大に入学した学生が次のようなことを書いていた。医学部の面接で、何故福井医大を選んだかの質問に対して、その学生は、”福井出身の川本真琴のファンなので、福井医大にしました”と答えたそうだ。非常に珍しい答だと思うが、試験官は爆笑したかもしれない。いや、待てよ。年輩の試験官は彼女の名前はご存じないかもしれない(笑)。
プリンセスTENKO・恐竜博 2000年7月20日
いってきました。恐竜博物館もプリンセス天功ショーも素晴らしかったですよ。でも、陽射しが強く、暑かったですね。顔を日焼けしてしまいました。
帽子とうちわか扇子、女性の方は日焼け防止クリームを使用した方がよさそうです。かなり歩かないといけないですよ。
恐竜博物館でのCGも素晴らしく、もちろん、たくさんの恐竜たちの骨格が所狭しと展覧されていて、迫力があります。是非、ご訪問下さい。
一人で見物しましたが、家族連れが多かったです。
私にとってのメインイベントはプリンセス天功さんに、先日の福井新聞に掲載していただいた、私が医学監修をした『脳にマラカスの雨が降る』(カッパブックス、栗本慎一郎著)を彼女にプレゼントすることだったのです。図々しくも、東京魔術団の団員に話しかけて、天功さんのマネージャーとお会いすることができました。残念ながら、まだショーの間の大変な時間帯だったので、直接にはお会いできませんでしたが、メッセージ付きの本を謹呈することができました。マネージャーにいくつかの質問しました。以下のようなご返事でした。
1。私はファンなのですが、天功さんは医学生ですね。1年のうちに200日もショーをやっていて大丈夫なんですか?まさか退学はしていないでしょうね。
答:医学生です。勉強はしています。 (補足:飛行機の中で受験勉強をしていたのです)
2。脳と心について興味があるということをNHKの番組で聞いたことがあるのですが、本当にそうですか?
答:はい、そうです。
3。上記の本の中でミラーマジックを利用した脳卒中の治療法が記載されているので、非常に面白いのではないかと思いますので、是非お読み下さるようお伝え下さい。
答:はい、わかりました、大変ありがとうございます。将来、脳の関係の仕事(?)をするときにお世話になるかもしれません。 (ドクター乱夢:将来、お会いできる日があるといいと思っています)
『プリンセスTENKOの人生はミステリー』(引田天功、文園社)
この本を読むと、天功さんが脳医学を専攻していることがわかる。彼女の部屋の片隅には人間の脳の模型が置いてあるそうだ。彼女は頭蓋骨破裂という病名を子供の時に宣告された。普通は成長とともに閉じるべき大泉門や小泉門が開いた状態なのであろう。成長のスピードが普通の人に比べて三倍も遅いそうだ。
「脳や自分の生命に対して不安な日々を過ごしていたことが、逆に興味に発展したのでしょう」と彼女は述べている。
日本で仕事をしている時は学校へ行けないので、もちろん英語でのレポートを提出し、楽しいと言っている。
勝山での恐竜エクスポで彼女のマネージャーが、東京で大学の脳外科の先生に家庭教師をしてもらっていると教えてくれたが、そのことも、この本には書かれていた。
さらに脳に関心を深めた理由は初代天功がやっていた催眠ショーだったそうだ。「脳の研究をする目的の一つに、催眠術、催眠医療を知り、その違いを明確にし、誤解を解きたいということもあります」と述べている。
http://ameblo.jp/princess-tenko/ (プリンセス天功ブログ) http://blog.with2.net/link.php/36571(ブログランキングに投票をお願いします) http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/ (福井県立恐竜博物館)
7月15日 臨死体験ー終末医療における意義の検討ー山村尚子:臨死体験-終末医療における意義の検討-
臨死体験に関する本格的な論文(対照群との検討を含む)が、1998年に日本で初めて報告されたが、ここに要約して紹介する。
日本老年医学会雑誌35:103‐115、1998 山村尚子:臨死体験-終末医療における意義の検討- (杏林大学医学部高齢医学)
要約: 深昏睡に陥った連続38例につき、同一医師が同一プロトコールで臨死体験の有無を問診し、14例、37%に体験を認めた。体験ありの群と、体験なしの群で背景因子の差を検討した。体験場所としては病院が高率であった(あり6/14、なし1/24)。(但し、使用薬物による差異はなかった。)原因疾患では自殺企図者(4例)には1例も体験がなかった。 体験の型として、超越型(transcendental)、自己観察型(out-body)、フラッシュバック型(flash-back)の3型を認めたが、欧米に多いトンネル体験の型は認めなかった。体験の構成要素として、暗闇の虚空と先方の薄明り、死者との遭遇、小川、川、溜池といった要素が認められた。 臨死体験の影響として、死の恐怖が緩和したと述べたものがみられ、その後の生活態度が内省的になり、精神的影響をうけたとするものが、対照群に比べて有意に多かった。 この研究結果から、高齢者の終末医療に益すると考えられた点は、1。死あるいは死に至る過程に関する体験的知識を収集することができた、2。体験者では死に対する不安、恐怖がないか、極めて少ないことが分かった、3。終末医療に従事するものが心すべきことが示唆された点であった。(以上は原文を少し簡略化した)
考察: 臨死体験を医学の領域で扱うことに関する批判や反発などの問題点: 1)臨死体験は夢のようであり、とりとめのないものにかかわることはない、 2)夢でなければ、危篤状態での幻覚にすぎない、 3)たとえ、夢や幻覚でないとしても、本人が体験したと申したてたことを事実か否か、確認しようのないものを扱っても不毛である。 4)所詮オカルトの問題で、医学が関わるものではないといった指摘である。 (以下それぞれの項目について反論をくわえてあるので、有意義な点と思われることのみ、紹介する)
1)夢との異同 夢と臨死体験を同一とするには無理な理由; (i)夢は日常生活や活動などの近い過去の個人的記憶につながりを持つことが多いのに対して、臨死体験は非日常的な体験であり、死者との遭遇、フラッシュバックなど個人を越えた共通のタイプを持つ。 (ii)夢はさめた後、夢であったことを本人が自覚するが、体験者は実際の体験であったと強い確信をもっている。 (iii)夢はほとんど忘れてしまうが、臨死体験は絶対というほど忘れることがなく、ほとんど生涯にわたって記憶される。 (iv)体験の確信は、非常に強いにもかかわらず、誰に話しても本気にしてもらえず、体験者は内容をしゃべらなくなる傾向がある。夢の場合には、人に理解されたいという欲求や、それが満たされないことに対する孤独感、深刻な受けとめ方はない。 (v)夢には臨死体験のように体験後の人生に内省的影響を与えることはあまりない。
2)幻覚との異同(コメント:幻覚であるという考えを持つ研究者が大多数であるが、たとえば、日本では、養老氏、瀬名氏、澤口氏(後2者の論旨は「神にせまるサイエンス:Brain Valley研究序説」に書かれている。澤口氏は明快に、臨死体験は(p46−48)異常な脳活動の結果として説明可能であると結論している。”心臓停止などの状態では、脳は酸欠状態になり、ニューロンは異常な活動-バーストとよばれる異常発火-を示し、側頭葉でおこれば、側頭葉てんかんで体験されるものと同じような幻覚が出てくることになる。第一次視覚野などの低次な視覚野で異常発火が起きれば、まぶしい光を幻視することになるだろう。こうした体験を意識が回復した後に(記憶という脳活動に頼って)他人に伝えたり、自分で生理する時には言葉を使って再構成する。この際には育った文化の影響が当然ながら入り込む。幻覚自体もその人の生まれ育った環境の影響を受ける。キリストや神あるいは三途の川はそうやって再構成した幻覚といってよい。”(引用)彼はかなり楽観的に臨死体験の脳内機序について彼の仮説を述べているが、これは仮説であって証明されなければ、正しいとはいえない。実際の臨死の人を対象としたこういう研究は今まで日本ではなされていないと思うし、実際、倫理的制約があり難しいと思う。読んでいる人はあまりないと思うが、ベルナール・ヴェルベールの大著である「タナトノート-死後の世界への航行-」(NHK出版2600円、1996)という小説で、死刑囚を実験台に使い、薬物により臨死体験をさせ、死後の世界を実際に探求するという話である。僕の立場は、澤口氏が推定されているように、側頭葉の異常バーストが発現するまでは賛成であるが、その後、もう一人の自分(魂)が活性化され、脳から分離され(銀色のコードにつながっているらしいが)、自己や自分の周囲の人や景色を見たり、時には違う世界(死後の世界、過去、未来の世界)へ、移動するのではないかと想像している。)立花隆氏の「臨死体験」の結論についてのコメントを以前、このブログで書いたが、彼は臨死体験の脳内現象説が正しいのではないかと思っているが、現実体験説も完全には否定できないことも述べており、バランスのとれてコメントをされていた。)
臨死体験は危篤状態の幻覚にすぎないという批判もある。幻覚とは、対象の実在しない知覚という意味である。臨死体験は、体験者と周囲のものが共通に認識しあえる客観的事象を共有しえない領域の情報であることから、幻覚に似た側面を持つ。 (i) 臨死体験者は体験の確信的自覚をもち、その体験が他者には理解されない状況にあることも充分認識しているのに対して、幻覚には病識や自覚がないのが普通である。 (ii)幻覚にはせん妄や興奮などの精神症状を伴う場合があるが、臨死体験にはそうした精神症状が伴わない。 (コメント:他にも理由をあげているが、幻覚は必ずしも、意識レベルの低下した状態でのみ見られるわけではない。パーキンソン病患者の幻覚は主として幻視であるが、l−ドーパという薬の副作用でみられることがあり、上記の(ii)の点から、臨死体験は幻覚ではないとはいいきれないと思う。)
3)確認しにくい訴えの扱い 臨死体験は本人の申し立てのみで、第3者が直接確認することのできない情報である。しかし、そうであるからといって、医学の対象にならないというのは当を得ない。 (i) 臨床医学は患者の訴えを素直に聞き、そのまま記載していくところから研究も診療も始まる。(コメント:正にその通りです。) (ii)それを最初から熱にうなされた譫言にすぎないとしたんのでは、臨床的経験は得られず、学問の体系化もありえないであろう。
4)オカルト的興味の問題 臨死体験はたしかにオカルト的興味に堕す可能性がある。しかし臨死体験そのものはいわゆるオカルトではない。 (i)その情報をどう扱うかが科学の材料となるか、オカルト的興味に終わるかであって、臨死体験の記述に医学が関わること自体さしさわりはないと考える。 (ii)医学の側が客観的接近をおこなわなければ、この問題はいつまでも興味本位のテーマにとどまり、そこから積極的意義をもつ情報、教訓は得られない。
臨死体験の高齢者終末医療における意義 臨死体験の実態はまだ不十分であり、その機序も諸説があり、定まっていない。我々は死および死後の不安、恐怖に対して、知識が皆無であるために、その内容が厳密な客観性を欠くとしても、臨死体験から伝えられる情報の意義は決して少なくないと考える。
1)死および死への過程についての一つの総合的情報あるいは解釈の可能性 2)終末疾患者への精神的援助、慰安 臨死体験の内容や体験者の反応を提示して、死の恐怖やその過程での苦痛への恐れを持つ終末疾患者への精神的援助、慰安を与えることはできないであろうか。 3)高齢者の終末医療に携わるものへの教訓 我々が受け持つ重症患者のなかに、精神的高みに達した個人のいる可能性のあることをわきまえて対応する必要がある。 また。臨死体験の中には、抜けだし体験をして自己あるいは周囲を観察する要素が少なからずあった。このことは、昏睡状態にあって意識がないと思われる場合でも、患者にはなんらかの知覚亢進があって、医師や看護婦の挙動を観察している可能性があることを示唆している。(コメント;僕は昏睡状態でも、いつも患者が見ているという前提にたって、診療をしている)昏睡であるからと、気を許して、粗暴な扱いをしたり、不用意な言動は慎まなければならない。) (最後に、山村尚子先生は次のように結論している。) このように、臨死体験は、科学的態度をもって接近することにより、夢や幻覚、不毛の情報、オカルト趣味を脱して、現時点で最も死に近づいた直接的体験の情報を与えるといえる。この知識をもとにして、終末医療に対していくつかの貢献ができると考える。
コメント:山村尚子先生、日本の臨死体験の研究史に残る歴史的な発表をされ、感服いたしました。過去7年間にわたる研究に対して敬意を表します。日本ではこういう研究は大変で無理ではないかと思っていましたが、新しいご発表、大変ありがとうございました。今後のご活躍を期待しています。
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