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日志


8月12日

野口みずき、かわいそう:スポーツ選手の体調管理

野口みずき、かわいそう:スポーツ選手の体調管理

 

金メダルが確実であると思われていた野口みずき選手が下肢の肉離れのために、マラソン出場を欠場することになった。練習しすぎだと思われるが、コーチの責任は大きいと思われる。そんなに過酷に練習しなくても、よかったのではないか!スポーツドクターのアドバイスを受けていたと思われるが、何でこんな結果になったのか、腹立たしい反面、野口選手の無念さには同情を禁じ得ない。彼女は伊勢市出身だが、ぼくは3年間、伊勢高校に下宿して通学していた。ぼくは高橋尚子のファンで、野口選手のファンではないが、今回のオリンピックに野口選手の金メダルを期待していた。

 

宮里藍選手も1年前に膝を痛めてから、ゴルフの成績がどん底まで下がってしまったが、最近ようやく藍ちゃんの活躍が見られるようになり、喜ばしい。そのときにも、専門医への早めのコンサルテーションの必要性を書いた。痛みを我慢して、試合を続けるのは良くないとか、適格なアドバイスができるスポーツドクターが必要である。

 

ところで、女子ゴルフのウィー選手であるが、先日、男子ゴルフに出場して予選落ちした。

彼女は去年、何度か男子ゴルフに出たが、そのときに手首を痛めたことがあった。女性が男性とスポーツを競うのは間違っているし、彼女にとって、何もメリットはない。調子をこわすだけであることがわからないのであろうか?良きアドバイスをする専門家はいないのであろうか?彼女に対しては不快感を持っている。

断念せざるを得ない

 

資料:

野口みずきの話 この4年間やってきた事はすべて北京で走るためだっただけに、走りたい、走ろうという思いは消えることはありません。しかし、現状を認識すれば出場を断念せざるを得ません。ご支援をいただいている多くの皆様に多大なご迷惑をお掛けする事となり、誠に申し訳ありません。心より厚くお礼を申し上げるとともに、おわびさせていただきます。わたしの欠場で、土佐(礼子)さん、中村(友梨香)さんにもさらなる期待が寄せられ、重荷になる事を心配していますが、ご健闘を心よりお祈りします。(

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9月18日

吉野家の牛丼、プリオン病

吉野家の牛丼、プリオン病

 

 今日は、病院待機の当番のため、病院に出かけた。台風の影響による風が少しだけ強かった。仕事を終えて、帰り際に内科の先生が、ゴルフの素振りをしていたので、ゴルフにいくのかと聞いたら、吉野家に牛丼を食べにいくと答えた。インターネットの記事で、本日のアメリカ産の牛肉を使った牛丼を100万食販売するとのことだった。テレビのニュースを見ていたら、長蛇の列だった。

 

 実は僕は吉野家の牛丼を食べたことがなかった。まずそうな気がするのだけれども、本当はおいしいのだろうか?安さが売り物なので、僕は敬遠していた。

 

 一時、アメリカ産の牛肉が解禁になったが、ある業者の牛肉に背骨がついていたため、しばらく輸入中止になっていた。非常にお粗末な業者で、アメリカの担当者も同様であった。今回は日本の役人が業者を回って、チェックし、また、輸入されたすべての肉を開封して、危険部位を含んだものが混入していないかを調べているので、まずは一安心である。

 

 万が一にも,プリオンが混入していても、肉の中に検出される量はごく微量のため、問題はないのではないだろうか(なお、プリオン病患者の筋肉にはプリオンが検出可能との報告があり、下記の論文を参照してください)。鹿児島大学の納教授のHPに、講義スライドと内容が書かれているが、どうも感染するには、ある一定量のプリオンの摂取が必要なことが、最近わかってきたようだ。イギリスでの狂牛病によるプリオン病発生患者数が予想よりはるかに少ないのだ。

 

「アイゲン博士とノバック博士の仮説です。私はその仮説は正しいと信じて今日ここでお話しします。新しい仮説とは、異常プリオンの構造は、実際にはたくさんの異常プリオンが結晶状にくっついているのもので、異常プリオンが10万個以上集まって初めて「感染を起こす最小単位になれる」というものです。異常プリオン1個が正常プリオンを変形させるものではないということです。」

(納教授のHPから引用)

 

 僕は、1982年の秋にイギリスに1週間旅行したが、牛肉を少しは食べたかもしれないが、別になんとも思っていない。プリオン仮説を発表した、プルシュナー教授に、1982年、僕がペンシルバニア大学に留学していたころに、僕のボスの研究室でお会いしたことがあった。バイタリティにあふれた、野生的な顔をした研究者であった。彼と握手をしたが、その年のScienceに、プリオンに関する論文が発表された後だった。ペン大の研究者たちは、彼の仮説には懐疑的であった。彼の論文はイギリスのNatureには掲載されることはなかった。

 

現時点では、プリオン病の治療法はない。今後の研究の進展を期待する。

 

http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/kouenn-koukaikouza/bse-osame/bse-osame.htm

(ヒトのプリオン病について:牛肉はなぜ安全なのか)

http://jhfsp.jsf.or.jp/pub/pub97/prion.html

http://www.pnas.org/cgi/content/full/99/6/3812?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=Prusiner&searchid=1&FIRSTINDEX=0&volume=99&issue=6&resourcetype=HWCIT (骨格筋におけるプリオン)

http://ajp.amjpathol.org/cgi/content/full/168/3/927 (プリオン病患者の骨格筋におけるプリオンの存在)

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6月10日

認知症は予防可能か?茨城県利根町での介入効果

 

 

 

       認知症は予防可能か?茨城県利根町での介入効果

 

第12回神経内科痴呆研究会が名古屋マリオットアソシアホテルで、6月8日に開催された。幹事会では、痴呆研究会を認知症研究会と改めるべきではないかの意見が出た。日本神経学会では、用語検討委員会で議論されているようだ。痴れもの、阿呆という言葉は良くないであろうが、従来から医学用語で使用されているので、どうなることやら。従来の痴呆は認知障害の呼称ではなく、認知症となり、急速に一般では広まっていった。最初は、認知症の言葉に違和感を感じていたが、神経内科領域では、脊髄障害を脊髄症と呼び、脳症という言葉もあるので、僕自身は医学用語としての痴呆を認知症に変更することは、時代の趨勢を考えると、やむをえないと思っている。

 

次回研究会の担当幹事の一人になったが、次回の講演者には、学習療法で超有名人になられた東北大の川島隆太教授か、「ぼけの予防」(岩波新書)を書かれた日本認知ケア学会理事の須貝祐一先生のどちらかを招待したいと個人的には思っている。

http://www.chihoucare.org/ (日本認知症ケア学会:岩波新書でのプロフィルでは、日本痴呆ケア学会となっていた(2005))

 

MCIと認知症予防介入:3年間の介入効果」

(筑波大学臨床医学系 精神医学教授 朝田隆先生)

 

MCImild cognitive impairment: 軽症の認知障害(日常生活動作や認知機能は正常だが、年齢に比べて記憶力が低下するが、認知症ではない)

4年以内に認知症になる可能性が50%であるという報告がある。

 

意義:発病を少なくとも1年遅らせるかどうか?

 

対象者:人口2万人のうち、65歳以上の2730人が対象で、そのうち、1916人(70%)が最終参加人数。そのうちの約400人に「物忘れ予防のための介入活動」を行った。うつを除外した。

 

検査:いくつかの検査が施行され、既存の検査を修正したものも使用された。

 

ファイブコグテスト

  認知テスト;1.記憶、2.注意、3.言語、4.視空間認知、5.推論

 

初回調査の結果:

65歳以上町民 10% MCIの有病率(従来の調査では6%)

 

MCIではうつが多い

   正常では、2.7%、MCIでは、5.6%。

 

うつの判定:15項目の6つ以上、うつと診断。下記の項目が正常と比べて、MCIでは有意に高率であった。

MCI

   自分は無力        54.3%

外出しない        79.2%

記憶が悪い        88.0%

無価値である       64.0%

 

介入手段:

1.栄養:シーアルパ100 1日2回朝晩3錠ずつ

     EPA, DHA, Ginko, Lycopene

2.睡眠改善と短時間昼寝

3.有酸素運動

 

1.J Neurosci 2005, 25:3032

http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/25/12/3032?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&searchid=1&FIRSTINDEX=0&volume=25&firstpage=3032&resourcetype=HWCIT

A Diet Enriched with the Omega-3 Fatty Acid Docosahexaenoic Acid Reduces Amyloid Burden in an Aged Alzheimer Mouse Model

 

Giselle P. Lim et al:

 

Epidemiological studies suggest that increased intake of the omega-3 (n-3) polyunsaturated fatty acid (PUFA) docosahexaenoic acid (DHA) is associated with reduced risk of Alzheimer's disease (AD). DHA levels are lower in serum and brains of AD patients, which could result from low dietary intake and/or PUFA oxidation. Because effects of DHA on Alzheimer pathogenesis, particularly on amyloidosis, are unknown, we used the APPsw (Tg2576) transgenic mouse model to evaluate the impact of dietary DHA on amyloid precursor protein (APP) processing and amyloid burden. Aged animals (17-19 months old) were placed in one of three groups until 22.5 months of age: control (0.09% DHA), low-DHA (0%), or high-DHA (0.6%) chow. -Amyloid (A) ELISA of the detergent-insoluble extract of cortical homogenates showed that DHA-enriched diets significantly reduced total A by >70% when compared with low-DHA or control chow diets. Dietary DHA also decreased A42 levels below those seen with control chow. Image analysis of brain sections with an antibody against A (amino acids 1-13) revealed that overall plaque burden was significantly reduced by 40.3%, with the largest reductions (40-50%) in the hippocampus and parietal cortex. DHA modulated APP processing by decreasing both - and -APP C-terminal fragment products and full-length APP. BACE1 (-secretase activity of the -site APP-cleaving enzyme), ApoE (apolipoprotein E), and transthyretin gene expression were unchanged with the high-DHA diet. Together, these results suggest that dietary DHA could be protective against -amyloid production, accumulation, and potential downstream toxicity.

 

 DHA高含有食では、アルツハイマーモデルマウスでのアミロイド沈着が少なかった。

 

2.睡眠の意義

  Crick博士の仮説;睡眠は記憶に関連する 

Nature 437, 1272-12782005 Sleep-dependent memory consolidation

Robert Stickgold

The concept of 'sleeping on a problem' is familiar to most of us. But with myriad stages of sleep, forms of memory and processes of memory encoding and consolidation, sorting out how sleep contributes to memory has been anything but straightforward. Nevertheless, converging evidence, from the molecular to the phenomenological, leaves little doubt that offline memory reprocessing during sleep is an important component of how our memories are formed and ultimately shaped.

記憶固定と昼寝

 昼寝は情報飽和状態の神経回路をリラックスさせる?

  (昼寝すると、成績が改善)

 Non-REM睡眠が記憶固定に関連:脳寝る睡眠(REM睡眠時には夢を見ている)

 

短時間の昼寝は心身の健康に良い

社会・レジャー活動の予防効果

 これらと睡眠の質が関係

 

30分以内の昼寝;アルツハイマー病になりにくい

1時間以上の昼寝:アルツハイマー病になりやすい

 

 リフレッシュ効果?

 神経再生、新生?

 昼寝は夜間の睡眠とは関係なし

 

3)有酸素運動の効果

http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6WSN-4FNN6CG-H&_coverDate=03%2F11%2F2005&_alid=412226186&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_qd=1&_cdi=7051&_sort=d&view=c&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=bae24ac9b140b4c5b46d54eb469dce53

Cell 2005 120:701

Environmental Enrichment Reduces Aβ Levels and Amyloid Deposition in Transgenic Mice

Orly Lazarov1 et al.

Cerebral deposition of β-amyloid (Aβ) peptides is an invariant pathological hallmark in brains of patients with Alzheimer’s disease (AD) and transgenic mice coexpressing familial AD-linked APP and PS1 variants. We now report that exposure of transgenic mice to an “enriched environment” results in pronounced reductions in cerebral Aβ levels and amyloid deposits, compared to animals raised under “standard housing” conditions. The enzymatic activity of an Aβ-degrading endopeptidase, neprilysin, is elevated in the brains of “enriched” mice and inversely correlated with amyloid burden. Moreover, DNA microarray analysis revealed selective upregulation in levels of transcripts encoded by genes associated with learning and memory, vasculogenesis, neurogenesis, cell survival pathways, Aβ sequestration, and prostaglandin synthesis. These studies provide evidence that environmental enrichment leads to reductions in steady-state levels of cerebral Aβ peptides and amyloid deposition and selective upregulation in levels of specific transcripts in brains of transgenic mice.

豊かな環境とは?

Enriched environment was composed of large cages (3.236 × 104 cm3), running wheels, colored tunnels, toys, and chewable material. For 1 month, mice were exposed to enriched environment every day for 3 hr and were returned to their original cages for the remaining 21 hr. After 1 month of daily enrichment, mice were introduced to the enriched environment three times a week for an additional 4 months.

 

遺伝子操作マウス(double transgenic mouse):脳内アミロイドの発現を人為的に増強させたモデルマウスを使用した。

豊かな環境(運動ができる装置が多い)でのマウスでは、アミロイド沈着が少なかった。

運動量がアミロイド沈着と逆相関していた。

アミロイドを分解する酵素であるneprilysinの活性が有意に上昇していた。

 

有酸素運動:はや歩き、サイクリングなどの比較的運動強度の低い運動

 1日20~60分、週に3~5回

 前頭前野の機能がアップする

フリフリグッパー体操 3分

 「腰フリと手をグーパーさせる

征矢英昭助教授考案の「フリフリグッパー」体操:

(1)「青い山脈」や美空ひばりの「川の流れのように」の歌を口ずさみながら

(2)両足のかかとだけを交互に軽く上げてリズムをとり

(3)腰を左右に大きく揺らす。

(4)手は両腕を開く時はグー

(5)腕を閉じながらパーにして、両手を合わせる。」

(引用:http://www.sponichi.co.jp/osaka/soci/kenko_dojo/ninchisho.html

 

成果:

3年後:

正常665名中、 認知症 0.6%発症、MCI 8.1%発症

MCI 300名中、 認知症 11.0%発症した。

MCIから認知症に移行する率が、正常から認知症に移行する率に比べて、非常に高かった(0.6% VS 11.0%)

 

有意に改善した項目

 1.ファイブコグ記憶テスト

 2.テンミニ物語直後再生

   キーワードが25個含まれている。

    介入群では、前が16個が20個に上昇。コントロールでは変化なし

(スライドの表から乱夢が判断した)

3.睡眠の質

 

開始時に正常とMCIの人がアルツハイマー病になる率が有意に、介入群では低率であり、約30%の減少であった。

 

 介入群 3.1%(年率1.0%)

 非介入群 4.3%(年率1.4%)

 

講演の後に質問したが、MCIの人がアルツハイマー病になる率は、介入群では、より低率になること、また、アポリポ蛋白E4を持つ人(アルツハイマー病になりやすいタイプ)は、介入による効果があったそうだ。

 

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2664dir/n2664_04.htm (医学界新聞)

http://www.joyoliving.co.jp/topics/200504/topics0504015.htm (フリフリグッパー体操)

http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/0511/html/t03.html (利根町の試み)

http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/AlzHiruneYobou.html (短い昼寝)

http://www.poketto.co.jp/main/017.htm (シーアルパ100)

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2664dir/n2664_03.htm (医学界新聞)

http://spaces.msn.com/hranmu/blog/cns!F6D2A9D447E0DCE9!358.entry (ワイン)

http://spaces.msn.com/hranmu/blog/cns!F6D2A9D447E0DCE9!362.entry (ぼけの予防法)

http://spaces.msn.com/hranmu/blog/cns!F6D2A9D447E0DCE9!363.entry (運動、知的活動)

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4月9日

海外の煙草警告表示を知っていますか?

海外の煙草警告表示を知っていますか?

 

20歳ごろから、煙草を吸っていたが、アメリカに留学中に禁煙した。アメリカでは、ケントを吸っていた。ワシントンに遊びに行ったときに、見栄えの良くないメキシコ料理店に入った。生野菜にケチャップをかけたつもりだったが、タバスコだった。舌がやけどしたみたいになったが、ビールを飲んでごまかした。舌とのどがひりひりしたが、翌日は、インド料理で、激辛のカレーライスを食べてしまった。舌が腫れた感じがして、のどもひりひりしていた。帰宅してから、舌と喉を見てみたら、真っ赤になっていた。煙草を吸えなくなっていて、この機会に禁煙をすることにした。1ヶ月して、ようやく舌の味覚やひりひり感は正常になった。

 

ところで、先日、当院の脳外科部長が突然退職することになったが、最後の講演の中で、ブラジルの煙草パッケージの煙草警告表示の写真を提示したが、その生々しさにびっくりしてしまった。日本のものは、言葉による表示だけだと思ったが、海外では、次のリンクにあるような気持ちの悪い、説得力のある写真が使用されている。日本の煙草の値段が海外に比べて安すぎるというデータが新聞に掲載されていたが、健康被害を考えると、さらに値上げすべきであろう。

 

http://www.pat.hi-ho.ne.jp/ten250/biyou/eu.html

http://www.pat.hi-ho.ne.jp/ten250/biyou/brazil.html

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3月7日

低血圧の治療

 理系白書ブログでコメントしました。

 

                  低血圧の治療

 

低血圧について、誤解されている一般人が多いようですね。

 

塩分をとりすぎると、生活習慣病を誘発するというのは、高血圧の素因を持っている人にあてはまります。

 

下記のリンクをご参照ください。NHKの情報は一番信頼があります。

 

 「低血圧の改善法

  塩分を多めに(高血圧でないことを確認)」

 

http://www.gik.gr.jp/~skj/hypotension/hypotension.php3 (低血圧)

http://www.nhk.or.jp/kenkotoday/2001/20040422/ (NHK健康HP

http://spaces.msn.com/hranmu/blog/cns!F6D2A9D447E0DCE9!155.entry

(家森幸男教授との歓談)

 

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12月31日

大雪とぎっくり腰

大雪とぎっくり腰

 

 先日、当地で30cmの大雪が積もった。現在はすっかり溶けてしまっているが、積雪量は新記録だそうだ。庭に2本のみかんの木が植えてあるが、今年はめずらしくみかんが豊作であり、たわわになっていた。昨日、みかんを収穫し食べてみたが、意外においしかった。

 

 雪の降る前にガレージにおいてあった箱を元の位置に戻そうと思って、箱を持ち上げたら、腰がギクッと音がした。ぎっくり腰をまた、おこしてしまった。今年は2度目である。軽い箱かなと思っていたら、なかにスキー靴が2つ入っていた。そんなに重くはないはずだが、頭で想像した重さと違っていたため、腰の体勢が準備でできていなかったのであろう。1週間でほぼ良くなったが、運動不足がいけないのであろう。

 

 以前、福井に移りすんだ最初の冬に大雪を経験した。福井にきたのは1985年で、その年の12月8日に一晩で約70cmも雪が積もって、雪かきを始めて体験した。防寒着を着て1時間ぐらい雪かきをした。雪かきの要領がわからなかったので、汗をかいてしまい、風邪をひいてしまった。その年の積雪は多くて、それ以後ずっと暖冬だったが、今年の冬は福井市も12月としては20年ぶりの大雪になったそうだ。

 

 以前のブログ日記も追加する。

ピサ症候群、ぎっくり腰

 

  728日午後530分ごろ、病棟の写真保管用の棚から写真入りジャケットをとろうとしたところ、右の腰部がぎくっとし、少し痛みを感じた。しまった、ぎっくり腰かもしれないと思ったが、その日は軽度であった。翌日に外来にて午前中座っていて、たちあがろうとしたら、腰が痛くて、上半身が直立できなかった。45度傾いていて、背筋を伸ばすのに5分ほどかかった。午後の診察後も同様状態だったので、外来カンファランスをやらずに早く帰宅した。腰が痛くて、ゆっくりとしか歩けなかった。少し前傾姿勢になっていたので、手で腰を圧迫しながら歩いた。

 

  帰宅後、体の軸が右に傾いているのに気づいた。腰痛は右の第3腰椎の外側であったが、下肢への痛みの放散はなかった。鏡に映る自分の姿を見ると、まるでピサの斜塔のようだった。そういえば、ピサの斜塔のようなジスとニアがあるような話を聞いたことがあったので、インターネットで調べた。アリセプトや向精神薬などの薬剤による副作用が報告されていた。また、パーキンソン病患者でも見られることがある。

 

http://neuro.psychiatryonline.org/cgi/content/full/13/3/427

http://www.siumed.edu/cme/html/88a.html

http://mirecc.stanford.edu/mirecc/Pisa%20Syndrome.pdf

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10月28日

ぼけの予防:運動、知的活動、うつ病

なぜ運動がアルツハイマー病の予防にいいのか

有酸素運動の効用

1.脳に行く血液循環がよくなる

2.運動の刺激そのものが神経細胞に刺激となる。海馬の神経幹細胞を刺激して神経細胞を新たに生み出すらしい。

3.脳内神経の信号伝達を受け持っている神経伝達物質が増える。

 

101歳の修道女の話―頭を使うと、ぼけないのは本当

 

 老年期に達した修道女の多くは、20歳代から老年期に至るまで、同じような生活環境で過ごしてきた。ノートルダム修道院の住む修道女を対象に加齢と認知症に関するさまざまな追跡調査が行われた。

 101歳で死亡したシスター・マリーは亡くなる直前まで、認知症をみられる症状はまったくなかった。死後解剖が行われたが、脳重量は870gしかなかった。アルツハイマー病の特徴となる老人班や神経原線維変化が多数見つかった。脳はアルツハイマー病の徴候を示しているのに、まったく認知症の症状が見られず、聡明であったのはなぜか?

 若いころから老年期に至るまで一貫して知的な好奇心と知的活動を維持していたからではないかと考えられている。

 

       浴風会病院の集団検診―余暇の過ごし方

 

65歳以上の在宅高齢者の頭部CTMMSEを施行したが、32人は脳萎縮が明らかで、アルツハイマー病が疑われる脳萎縮状態なのに、MMSEが満点であった。2人を除いて、毎日なんらかの趣味活動や知的活動を続けていた。

 

高齢者の余暇活動とアルツハイマー病発症の関連

新聞や雑誌をよく読む習慣のある人は0.65

チェスや囲碁などの盤を使うゲームをする人は0.25

クロスワードパズルを解くこと

ダンス教室によく通うこと

楽器を演奏すること

  いずれも週3回以上行っている

 

ストレスと環境変化の影響

 

 悩み事や心配事にすぐ落ち込んでしまいやすい人はプラス思考の人に比べて約2倍アルツハイマー病にかかりやすい。海馬は心理的ストレスに弱い。

 副腎皮質ホルモンであるコルチゾール過剰が海馬の細胞死を促進する。

うつ病はアルツハイマー病の危険因子である。高齢になってうつ病が治らずに長引いていると、アルツハイマー病に移行することが非常に多い。うつ病の時期には血中コルチソールが異常に高い状態が続く。

 うつ病では神経細胞の活動が不活発となり、精神活動の不活発な状態が長引けば認知症のリスクになる。

 うつ病の原因とされるのは脳内の神経細胞のネットワーク内で神経伝達を行っているノルアドレナリンやセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の不足である。選択的ノルアドレナリン再吸収阻害薬や選択的セロトニン再吸収阻害薬が登場し、高齢者にも使いやすくなった。

ストレスを長くためない工夫が必要である。慢性ストレス状態は配偶者との死別や孤立した一人暮らし、不安神経症でも起きている。自分にあった続けられる運動や趣味活動を意識して見つけておくことが必要である。

 

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10月25日

ぼけの予防法

ぼけの予防法

 

先週と今週、火曜日の午後に市民講座として、認知症予防講座を開いた。49人の参加者があった。先週の質疑応答では、顔のしみもアルツハイマー病に関連がありますかの質問があった。老人班をしみのようなものと説明したために、その女性は勘違いしたが、聴衆は爆笑した。

本日、わたすレジメは下記である。参考にしてください。

 

日本人AD患者の栄養調査

発症以前より偏食や小食を示す例が多く,特に魚と緑黄色野菜の摂取が有意に低かった.

ビタミンB群,抗酸化物,ミネラルの摂取が有意に低かった。

脂質では総脂質量,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸 ,コレステロールには差がなかったが,多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取バランスが有意に異なっていた.

 

アルツハイマー病になりにくい脂肪のとりかた

肉食中心だった人は魚を取るように心がけること。

11回はどこかで魚を口にする(魚でも青魚がいい)。

マーガリンはできるだけ避けたほうが無難である。

サラダ油はそのまま使う、生搾りが選べたらなおいい。とりすぎないように。

植物油では天ぷらは菜種油がお勧めである。

炒め物はオリーブ油がよい。

使い古しの油は使わない。

ポテトチップス、フライドポテトなどはトランス型不飽和脂肪酸が多いので控えめに。

外食で油物をとるのは控えめにしたほうがよい。

 

        厚生労働省の健康づくり運動

野菜は1350g、果物は200gを摂取目標にあげている

普段の食事で野菜と果物をよくとっていると、がんや心臓病、脳血管障害にかかりにくい。野菜サラダ、おひたし煮物などの野菜を副菜としてとるときの一皿の平均値約70gに相当。

野菜は1日5皿、果物は2皿合計7皿(ベジタブルセブン)

 

フードファクター:病気の予防や体の働きに有用な成分

           トマトの中の赤い色素:リコピン

           にんじん:カロテン

           ごま:セサミノール

           ポリフェノール:植物が光合成によって作る

 植物色素や苦味の主成分:その中にフラボノイドと

 呼ばれる化合物の一群がある

   大豆のイソフラボン

   お茶のカテキン

   そばのルチン

   たまねぎのケルセチン

           いずれも微量で活性酸素を除去する作用

            

認知的予備力の大きさが認知症予防の鍵

脳を使うほど知識の習得や技術の習得や技術の獲得、判断などに使った神経細胞の数が多くなり、出来上がった脳内のネットワークがしっかりと根付いていく。それが認知的予備力である。

それだけの予備があれば加齢によって神経細胞が少しずつ脱落しても認知症レベルに知能が落ちるまで相当時間がかかる。その結果、アルツハイマー病で発病する時期が遅くなると推測されている。

頭を使っていると、神経細胞間のネットワークが強化されるばかりでなく、新しく神経細胞が出来上がっていく。それも高齢期になってからもおこる。

 

趣味と脳細胞の活性化度の関係一覧

未知なるものの遭遇に熱中すること(宮本忠雄氏)

脳細胞の活性度がきわめて高い

1.冒険のある旅、自転車旅行

2.日曜大工や手工芸、絵を書く、武道をする

3.俳句や小説を書く、舞踊を習う、楽器を弾く

脳細胞の活性度が高い

1.かるたとり、ギャンブル・ゲーム、推理小説、茶の湯

2.園芸、プラモデル作り、生け花

3.動物を飼う、小説などを読む、カメラ

4.初対面の人との会話、ゴルフ

5.孫にいろいろなことを教える、大衆小説、コレクション

6.変わったものを食べる

 

「成功加齢」(上手に年を重ねる)のために必要なこと(日野原重明先生)

1.より良い習慣を身につける。

2.心とからだの働きをできるだけ良い状態におく。

3.積極的に社会と関わる。

4.希望と信念を持ち、不屈の精神と生きるたくましい行動力を身につける。

5.常に愛する心と感謝の気持ちを持つ。

6.勇気を持って新しい行動を始める。

7.若い世代と密に交流する。

8.過去にこだわらないで、上を向いて歩こう。

 

主要参考文献

須貝祐一:ぼけの予防(岩波新書)

 

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10月18日

適度のお酒が認知症を予防

 

この3週間、公民館での認知症予防講座のスライド作り、医師会での脳卒中診療のpitfall―誤診例から学ぶーの準備で、ブログを書く暇がまったくなかった。その間に神経内科の研究会、学会がいくつかあり、すべて参加した。

 

本日は認知症予防講座で使うスライドの一部を紹介する。適度のアルコール摂取は認知症や心臓病を予防する、というありがたい内容である。出典は、「ぼけの予防」(須貝祐一:岩波新書)である。

 

適量の赤ワインで認知症予防

1日グラス3杯のワインでアルツハイマー病を予防する。フランスのボルドー大学の研究グループは、一定量のワインを毎日の飲み続けることが老人性痴呆症のアルツハイマー病の予防に効き目があることを報告した。

65歳以上の高齢者約3800人を数年間、追跡調査した。その結果、赤ワインをグラスで3〜4杯飲んでいる人の場合、アルツハイマー病の発生率が、酒を全く飲まない人のわずか1/4にとどまっていることが分かった。

 

赤ワインがなぜ有効か?-ポリフェノール

 

ブドウの皮の色素成分:タンニン、アントシアニン、その他のフラボノイドなどのポリフェノール

ポリフェノールが培養神経細胞におけるアミロイドβ蛋白に沈着を押さえ、神経細胞への毒性を弱める

 

適度の飲酒が認知症を予防

 

毎日一杯から中等量飲む人たちは、まったくお酒を飲まない人に比べてアルツハイマー病になりにくく、高齢になってからの知的レベルの落ち方が低い。

 

血管性痴呆に対するお酒の効果:飲まない人に比べて少量から中等量飲酒者の血管性痴呆の発症率は0.29倍。(心臓病にかかりにくい。適度のお酒は血液中の善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールを増やし、フィブリノーゲンなどの凝固物質を減らす)

 

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9月25日

細木数子氏の嘘、家系図の読み方

細木数子氏の嘘、家系図の読み方

 

今週は忙しくて、ブログを更新できなかった。入院患者の受け持ち数がなんと17人となってしまった。昨日から今日にかけて、神戸でのパーキンソン病の治療の関する国際シンポジウムに出かけていた。受け持ち患者のよくわからない症候を2人の名誉教授にご意見を伺った。参考となるご返事を頂いて感謝している。海外からの演者に対する質問を数回行った。パーキンソン病の進行をコエンザイムQ10(1日1200mg)が抑制するという報告があったが、非常に興味深かった。

 

ところで、金曜日に東海テレビ(フジテレビ)の番組、“幸せって何だっけ”徹底解説--細木流幸せを呼ぶ家系図の読み方を見ていたら、とんでもない解釈を細木数子氏が披露していた。あまりにも嘘っぱちの鑑定であったので、抗議のメールをフジテレビに送ることにした。

 

問題の家系は親族の複数の男性、および子供が若くして突然死(心臓死と思われる)していた。兄弟のうち、男性の一家族だけが生存している。女性の家族は若死にしていなかった。祖祖父が殺人を犯したが、謝罪していないために、男の子孫に影響を与えていると、細木氏は鑑定した。証明できないようなことをいい加減に言っていることに腹がたった。また、生存している男性の家族は神社の神主に御祓いをしてもらわないといけないとの忠告をした。兄弟の半数が若くして、突然死していて、その子供も突然死している家系を見て、僕は遺伝性の肥大型心筋症であるとすぐに推測した。常染色体優性遺伝の肥大型心筋症では、心筋のミオシンやトロポニンなどの遺伝子変異が発見されていて、若年者の突然死の原因として注目されている。問題家系の関係者はその家系図を持って、大学病院の循環器科を受診するとよいであろう。有害遺伝子を持っていなければ、突然死の危険はないし、心機能を検査してもらえば、安心であろう。もし、有害遺伝子を持っていても、適切な治療を行えば、突然死は免れるであろう。

 

細木和子氏は、現在大殺界なのにテレビに出すぎて、間違った御託宣を述べているのは、言語道断である。もし、僕が推理した病気であることが判明したら、彼女の信用は台無しになるであろう。

 

http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/103/1/65 (肥大型心筋症)

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6月1日

アルコール大酒家突然死症候群

 

2003年2月1日   アルコール大酒家突然死症候群

 

 このような症候群があるとは、最近まで知らなかった。内科のN先生の経験では、6人中5人死亡、神経内科ではこの1年で2人中2人死亡した。剖検では脂肪肝のみが見られた。著明な低血糖による意識障害、中枢神経障害がおこる。

 

           低血糖症の症状

血糖値 (mg/dl) 

70   副交感神経優位:空腹感、悪心、あくび、徐脈

50   大脳機能低下:会話減少、嗜眠

 35  交感神経優位:頻脈,発汗,過呼吸,脱力感,ふるえ

 20   昏睡,痙攣

 

 あるHPからの説明を要約すると、次のようである。

 

 大酒家で突然死する人の多くは、死亡する前日、または直前まで大量の酒を飲み続けている。そして、食事も取らずに、繰り返し吐きながら飲み続ける。意識障害を伴って低体温、低血糖、代謝性アシドーシス、肝機能障害などを起こす。

 

 アルコールは優先して肝臓で分解され、同じ補酵素を使う「糖新生:乳酸などを分解してブドウ糖を作る」や「脂肪代謝」のような生理作用が阻止される。そして、低血糖、乳酸アシドーシス、脂肪肝がおこる。

 

http://health.yahoo.co.jp/library/0600/w0600027.html

 

 

 

3月17日

ワルファリンと抜歯、脳卒中治療ガイドライン2004

先日、地元の医師会会員向けに、“脳梗塞の慢性期治療についてー脳卒中ガイドラインと病診連携の観点からー”という演題で講演を行った。準備不足でスライドの加工がまったくできなかった。日本脳卒中学会のHPにあるPDFをAcrobat Readerで開いたが、文書のコピーが一度しかできなかった。有料のソフトを購入しないといけないのだろうと思った。そこで、数ヶ月前に購入したScansnapを利用した。PDFを読み込み、Fujitsuの専用文書OCRでPDF文書をWordに変換した。時間がなかったので、この装置を買っておいたことが役立った。多量の書類を電子スクラップとして保存するのに便利である。

http://scansnap.fujitsu.com/jp/

 日本神経学会のガイドラインは暫定的なものしか掲載されていないが、どうしてなのだろうかと疑問に思っている。

http://www.neurology-jp.org/guideline2003/

http://www.jsts.gr.jp/jss08.html

 講演が無事に終了してからの質疑応答で、ワルファリン服用患者の抜歯時には、どのようにしたらよいかの質問が座長のI先生からあった。僕は脳塞栓が発生する可能性があるので、中止しないほうが良いと答えた。そして、できれば、大きな病院で抜歯してもらったほうが良いとのコメントをした。非弁膜症性心房細動患者で、ワルファリンを中止後に脳塞栓が起こった場合に、訴えられる可能性があることを指摘した。

 日本医師会雑誌の3月1日号を見ていたら、脳卒中の特集号があり、上記の質問に対する答えが書かれていた。

“ワルファリン療法中にワルファリンを短期間中止すると約1%の頻度で脳梗塞や塞栓症を発症し、その多くは重症である。一方、ワルファリンが治療域内にコントロールされていれば、ワルファリン内服継続下での抜歯も安全に行えることがランダム化比較試験や本邦での観察研究で示されている。したがって、抜歯時のワルファリンの安易な中止は避けるべきである。しかし、ワルファリン継続下での抜歯に応じる歯科医が多いわけではないので、日ごろからワルファリン継続下での抜歯を行う歯科医との協力体制を築いておく必要がある。“(矢坂正弘:上記より引用)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=9701094

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12054719

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=14649397

 

3月9日

パーキンソン病、医学書院医学大辞典

医学書院医学大辞典のパーキンソン病に関する用語についての解説の依頼があり、一時、悪戦苦闘していた時期があった。一番困ったことは、Myerson, Abrahamについての解説だった。インターネットで調べたが、最終原稿を送った後に、神経内科という商業誌に、解説があることに気づいた。恩師の一人である高橋昭名大名誉教授に質問しておけばよかったと思った。Kine'sie paradoxaleの解説では、映画『レナードの朝』(ロバート・デ・ニーロ主演、1990)をとりあげた。この映画は名作であり、医療関係者は是非鑑賞しておくべきである。

http://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/pro-lena.html

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD9759/

 

運動減少(症)[hypokinesia]パーキンソン病、パーキンソン症候群で見られる症状。まばたきが少なくなり、無表情となる仮面様顔貌やstarting hesitationと呼ばれる随意運動の開始困難が見られる。歩行開始、立ち上がり、寝返りなどの日常生活動作が障害される。障害が高度になると無動となる。歩行の開始時、足が床にはりついたようになる、すくみ足が見られる。歩行は歩幅が狭く小刻みな歩行で、上肢の正常な振れが減少・消失する。書字は小字症となり、声は単調で言語緩慢となる。パーキンソン病で見られる中脳黒質神経細胞の変性によるドパミンの減少は、大脳基底核-視床-大脳皮質系の神経回路の淡蒼球内節/黒質網様部神経細胞の活動性を上昇させ、視床神経細胞を抑制し、そこから興奮性投射を受ける補足運動野と外側運動前野の活動を低下させ、それらの領域から大脳皮質運動野への促通の減少をきたし、運動減少をおこすと考えられている。

 

オンオフ現象[on-off phenomenon]レボドパ服用時間、服用量に無関係に生じる日内変動で、レボドパの効いている時期(on)と効かなくなる時期(off)とが、比較的急速に交代して起こり、1日に何回も繰り返す現象をいう。off現象は突然に重篤な無動、筋緊張の低下、不安感で始まり、30分ないし2-3時間続いて急に消失する。on現象の時期には不随意運動を伴うことが多い。その発生機序は未だ明確ではないが、ドパミン受容体の関与やレボドパの吸収の変化が考えられている。この現象が出現したら、使用量を次第に減量してから、1-2週間中止する休薬日drug holidayを設ける。その際、症状が悪化するので、他の抗パーキンソン剤(ブロモクリプチンなど)を用いる。レボドパを再開する時には、少量から始め、漸増する。

 

すり減り現象[wearing-off phenomenon]パーキンソン病の治療開始数年間はレボドパの13回内服で症状の改善が得られていた症例で、その効果持続時間が短縮し、血中濃度の変動に伴って症状が変動する現象である。up-down現象、 end-of-dose deteriorationとも呼ばれる。症状の悪化時には仕事の遂行が困難になる。この現象の診断は医師が患者にレボドパの服用時刻とoff現象の発現時期と、次の服用で症状改善(on現象)が発現するかを確認することによる。病勢の進行により黒質線条体ドパミン作動性ニューロン末端で生成、貯蔵されるドパミン量が低下することが主因で、レボドパの吸収やドパミン受容体の関与も推定されている。この現象の対策として、レボドパの少量頻回分割服用、ブロモクリプチンまたは塩酸セレギリンの服用や低蛋白療法が行われる。

 

側方突進(現象)[lateropulsion]パーキンソン病患者の立ち直り反射または姿勢反射障害を調べる神経学的検査に突進現象試験pulsion testがあり、立位を保持した状態で胸部あるいは肩を側方から押すと、正常では上体をそらせたり、抵抗して立位を保つことができるが、パーキンソン病では転倒しやすい。実際の場面では、患者の横に立ち、「これから、軽く横へ押しますから、倒れないように踏ん張って下さい。倒れそうになったら、こちらが支えますのでご安心ください。」と指示してから、検査を始める。前方、後方、側方へ押すとそれぞれ、前方突進(現象)antepulsion, 後方突進(現象)retropulsion,側方突進(現象) lateropulsionと呼ばれる。なお姿勢反射障害とは姿勢の保持障害および、外力に対して姿勢を立て直すことの障害である。

 

マイアーソン[Myerson, Abraham 1881-1948、リトアニア-アメリカ]Tufts医科大学の神経学教授、Harvard大学の精神科の臨床教授、Boston州立病院研究所長などを歴任。フロイトの性理論や精神分析的手法を批判した。精神医学の将来を1947年に「25年後には生化学、生物物理学、薬理学的治療が中央舞台にたち、遺伝的、社会的関係を持つ精神医学の社会的側面が基本的に重要である。」と予言した。マイアーソン徴候で知られる。

 

マイアーソン徴候 Myerson sign ]ハンマーを患者の眼より高く保持し、患者に見せないようにして、眉間を1秒間に1回くらいの割合で連続的に軽く叩打すると、眼輪筋の反射性収縮が叩打に応じて見られる現象を言う。パーキンソン病の特徴的所見のひとつである。正常では、5-6回まで眼輪筋の収縮は続き、それ以後減弱する(慣れhabituation)。眉間の叩打による眼輪筋の収縮は瞬目反射(blink reflex)または眼輪筋反射(orbicularis oculi reflex)と呼ばれる。

 

矛盾運動[Kine'sie paradoxale1921年、Souques Babinskiらにより記載され、パーキンソン病の経過中、著しい無動を示す状態で、特殊な状況下(火事などでの非常事態)やある種の刺激により突然無動から脱し、正常に近い動作が可能になることを言う。この現象は映画『レナードの朝』(ロバート・デ・ニーロ主演、1990)で描写されている。すくみ足が出現して歩けない時に、足元に障害物や進行方向に棒や床の模様を示すと、突然これを跨ぐことができ、歩行を開始できる。これは視覚刺激による矛盾運動であるが、メトロノームによる聴力刺激(約1Hzのリズミカルな音刺激)が有効なこともある。この現象は意図的随意運動の開始が障害されているにもかかわらず、外来刺激に対する反射性の自動運動は正常に保たれているという逆説的な現象であると解釈されている。

 

無動症候群[immobility syndrome]無動は主に動作が緩慢になることを指すが、無動が主たる原因になっている症候は多い。無動は日常生活動作の障害として現れ、自覚的には同じ動作の継続困難、不器用さなどと表現される。例えばボタンがけ、紐結び、箸の使用などの指先の巧緻動作が緩慢になる。洗面、トイレ、着衣、食事などの動作に時間がかかり、部分的に介助を要するようになる。寝返りが困難となり、起立動作の緩慢化、歩行時の手の振りの減少、歩幅の狭小化、すくみ足が見られる。書字では字がだんだん小さくなる小字症が見られる。声量が小さく、抑揚のない発語となり、咀嚼や嚥下機能も低下する。また、仮面様顔貌、瞬目の低下が見られる。思考などの精神機能の緩慢化が現れ、精神緩慢bradyphreniaと呼ばれる。大脳基底核の出力系の低下が無動の原因であるが、単に運動系だけでなく、情動系の関与も想定されている。

3月5日

なだいなだ先生の講演会

 

数年前に多発性硬化症の患者のつどいで、田平武先生と精神科医で作家のなだいなだ先生の特別講演があった。その時のことを再度紹介する。

2002年7月

        田平武先生のお話:心と病気

風邪はウイルスなどが体を攻撃することによりおこるが、リンパ球がウイルスに対して防御する。リンパ球からはインターロイキン1というサイトカインが放出されるが、視床下部の発熱中枢に作用して発熱をおこすように働く。38度台では、ウイルスの増殖も抑えられてしまうので、すぐに解熱剤をたよるのは良くない。40度以上の高熱の場合は例外だが。また、インターロイキン1は眠気をもよおし、安静を保つのに都合がよくなる。
 呼吸法を毎日20分行う。 ゆっくり吸いゆっくりはく、その後は普通の呼吸をくり返す。101歳の現役医師からの伝授だそうだ。
 強いストレスはNK細胞を減少させ、調節性T細胞を減少させるー自己攻撃性のリンパ球が増殖し、多発性硬化症の再発をおこす。
 患者さんに2つのタイプ:くよくよする、前向きに生きて夢中になるものをもっている。後者が病気の再発が少ない。
 アルツハイマー病の老人斑のβアミロイドがワクチンにより除去できる。一部に脳炎があり、治験は中止された。しかし、これは違う方法により可能であり、アルツハイマー病は近いうちに克服できると力強く述べた。
PS:アルツハイマー病が克服されたら、今が隆盛の介護保健サービスの需要が減る可能性がある(乱夢)。健康老人が増え、ボランティアではなく、雇ってくれる会社があれば、彼等も税金をおさめることになり、今の閉塞的状況が少しは良くなるかもしれない。

 

          なだ いなだ先生の講演会

モットー:

難しいことはやさしく

やさしいことは深く

普通のことは面白く語る

チェコの作家のチャペックから学んだ。
園芸家12か月(中公文庫):哲学的な本であるが、一番影響を受けた。

パリのサルペトリエール病院のガルサン教授のもとで神経学を学んだ。彼は飛び抜けてすぐれた教授であり、他の弟子との差は明らかであり、彼を超えることは無理だと思った。診断学の達人であった。多発性硬化症の患者が入院しているシャルコー病棟があった(ドクター乱夢は10数年前にこの病院のこの病棟を見学したことがある)。なだいなだ先生はAndre Thoma(綴りは不正確)に直接指導を受けていた。子供の反射をもっぱら観察していた。

 ある教授に将来のことを相談しにいったら、薮医者になりなさいと言われた。三種類の患者さんがいる。

1。治療せずに放っておくと死んでしまう患者

2。放っておいても死んでしまわないが、なおらない患者

3。放っておいても自然になおっていく患者
 薮医者は第1番目の患者を名医に送ればいい。小説家になりたかったし、勉強もあまりしなかったので、2番目の患者を扱う精神科を選んだ。彼は嘘をつくこともあるそうだと説明した。次の言葉は多分、彼の造語だろう。

ふむふむ療法;患者さんの言葉をふむふむとうなずきながら聞く。ただ聞いているだけでは、おかしく思われるのでときにリズムを変えたり、ふーむとのばしたりする。おうむがえしをするのもよい。

日本で初めてのアルコール中毒患者さんの病棟の担当医師になった。40人が入院したが、多かったので、患者さんが自分からすすんで逃げてもらうために、開放病棟を試みた。しかし、だれも逃げていく患者さんはいなかった。東京からかなり離れていたため、お金がないために脱出しないのではないかと思い、患者さんに1000円を渡した。しかし、だれも逃げようとはしなかった。患者さんにそのわけを聞いたら、退院しても、すぐに入院するはめになるので、入院中はできるだけ優等生でいたいとのことだった。とくに優等生だった患者さんに聞いたら、学校時代は言われたとおりのことをきちんやればよかったが、実際の人生は異なっていた。大海にただひとり放りだされた状態であり、羅針盤がない状態だった。アルコール中毒患者さんの妻の話があったが、現在は夫を許すことはできるが、過去に受けた悲惨な経験は忘れることはできないとのことだった。ずしりと心に応える内容だった。
 患者との談話会で、なだいなだ先生が若い時に書いた青春小説で留学していた時のことを書いた内容だったが、そのなかで、多発性硬化症の患者を自殺させてしまった場面を書いてしまったことを思い出し、反省の弁を述べていた。

2月28日

家森幸男教授の講演および逸話

2000年11月6日

 先日、家森幸男教授と話をする機会があった。脳卒中易発症ラットの発見で、世界的に著名な先生である。彼は豆腐や納豆などの大豆製品の摂取が高脂血症や心筋梗塞のリスクを低下させることを、世界各国の住民に対する実験調査により証明した。

 彼は20年前に脳卒中易発症ラットの実験で、たとえ脳卒中(CVD)の遺伝子を有していても栄養によって脳卒中が予防できることを証明した。福井での講演会では予防栄養学の必要性が強調されていた。

 WHOの協力のもとで、彼は15年間かけて、世界各国に人々のCVDと栄養との関係を調査してきた。世界25カ国、60地域の48ー56歳の男女、それぞれ100人、合計で1万人以上の人たちの調査の結果、脳卒中の共通のリスクである高血圧は肥満と食塩の過剰摂取、それにマグネシウム、さらに蛋白質の摂取不足なども関係することが判明した。

 一方、虚血性心疾患は血中コレステロールが高い地域ほど多く、180〜200mg/dlの中庸の値で、最低であることが判明した。さらに、血圧、コレステロールを低下させる、魚介類に多いタウリンの尿中排泄が多い程、また大豆に多い女性ホルモン様作用のあるイソフラボンの尿中排出が多い程、さらに魚油に多く含まれるnー3系多価不飽和脂肪酸が血中のリン脂質に多い程、虚血性心疾患は少ないことも確認された。これらの栄養摂取は日本人では特に多いことから、豊富な魚介類や大豆製品の摂取が虚血性疾患を少なくし、日本人の長寿に貢献していると考えられている。

 また、沖縄の人は長寿が多いが、一番の元は食塩摂取量の違いであり、日本人平均では1日12gであるが、沖縄では8gである。沖縄ではCVDも癌も高血圧も少ない。ハワイに住む日系人に1日3gのDHA、5gのわかめの粉末、50mgの大豆のイソフラボンを10週間摂取してもらった結果、血圧で5mmHg,血清コレステロールで10mg/dlと有意に低下した。彼の話によると、5mmHgの血圧低下だけで、25%の高血圧患者を削減でき、その結果、日本人の医療費が年間4400億円減少させることができると説明していた。また、イソフラボン群ではさらに骨からのカルシウムの喪失が抑制されることが証明された。大豆製品はにおいがきつく、欧米人は嫌う傾向があり、今回の調査で次のような工夫がなされた。

 パンに大豆を加えるのだが、大豆をつぶすと、臭いが消えないので、細胞同士を接着しているペクチンを分解する酵素を作用させることにより、嫌な臭いがまったく消えることを応用した。非常においしいパンができあがったが、大坂の阪急百貨店でそのパンが販売されているそうだ。なんと1日の売り上げ高が200万円を越えるそうで、ギネスブックに載るかもしれないような売れ行きだそうだ。

 彼の結論は、食は遺伝子の支配を越えて生活習慣病を越えて、生活習慣病を予防し、人類の健康・長寿に貢献できること、そして、遺伝子により疾患の発症を予知し、栄養によって疾患を予防する、まさに未病を癒す医学の基礎が現代の医食同源論といえることだ。

 この世界各国を調査した時の苦労話を聞かせていただいた。アフリカのマサイ族の調査をしたが、彼らは調査したころには食塩摂取が0gだったので、高血圧の患者が誰もいなかった。10年後に再調査したところ、食塩摂取が1日6gになっていたが、高血圧の患者が10%に見られるようになった。高血圧を起こす遺伝子は単一ではないが、2カ月前に世界で初めて発見した遺伝子は、なんと環境に依存した高血圧の遺伝子であった。ナトリウムの量に反応して、その遺伝子が活性化されるそうだ。今、論文を作成しているというようなホットな話題であり、高血圧の発症が遺伝子で決まるわけではないことを示していて、非常に面白かった。

 マサイ族から採血をしたが、帰り際にその兵士たちに包囲されてしまい、採血管を置いていけと言われた。魂がもっていかれるという主張で、かなりの抵抗にあった。丁度、夕日が沈む直前で、その前にジープで帰らないと、ソマリアの難民に襲われることを覚悟しないといけなかったそうだ。採血の結果に対しては必ず報告するとか、必死に説明し、最後に頭を下げてお願いしたら兵士たちは理解してくれ、採血管を持っていくことを許してくれた。しかし、難関はそれだけではなかった。税関の検疫部門でお金を要求され、WHOの研究なのでお金は出せないと主張したら、採血管をすべて没収されてしまった。彼はショックで日本へ帰ったら髪の毛がすべて抜け落ちてしまい、何と生えてきた頭髪は白髪になってしまっていた。明智小五郎シリーズで生きたまま棺桶に入れられ、土葬された主人公が命からがら抜け出した時には白髪になっていたというテレビ番組を見たことがあったが、現実に起こりえるのだなと恐れ入ってしまった。

 この話には続きがあった。彼は小柄で顔が大きい精力あふれる好人物であり、気さくな先生である。彼はそんな目に会いながらも、世界中の調査に出かけた。中国を訪問し、やはり税関の検疫部門では1検体50元のお金を要求された。賄賂を要求されたわけだが、堂々と検体を渡した。実は彼は検体のダミーを持参していたのだった。血液の色をよく見れば、偽物とわかるはずなのに間抜けな検疫官だったのが幸いした。苦い経験を生かした成果だったが、その話を聞いていた我々は大爆笑していた。

http://www.iihanashi.com/news/news2003_02_2.htm

http://milk.asm.ne.jp/jimu/hitori/hitori_03.htm

http://www.kdcnet.ac.jp/sikamasu/SOLT.HTM

 

 

本、ジャーナルの廃棄・電子ジャーナル

2年間の研修終了後のレジデントが6人残ることなどから、病院医局の机を置くスペースが足りなくなったので、来週、机やロッカーの移動が始まる。その前に本や文献をダンボール箱につめる作業が必要となる。60cmの奥行きが狭くなるので、不要になった文献や本を思い切ってかなり捨てることにした。実験に関連したデータなどはほぼ捨てることにした。また、Neurologyのジャーナルも捨てることにした。American Academy of Neurologyの会員になっているので、電子ジャーナルとなっている最近の文献はインターネットからのアクセスで容易に見ることができる。大学病院だと、かなりのジャーナルは図書館経由で見ることができて便利だが、一般病院だと難しい。New England Journal of Medicine, Strokeは当院で購読しているため、電子ジャーナルとして利用できるように去年、事務局にお願いしてアクセスできるようにしてもらった。日本神経学会のジャーナルの臨床神経学は一部、電子ジャーナル化しているが、抄録が見ることができるだけで不便である。電子ジャーナル化を要望したが、どうも当分は無理なようだ。予算がないからであろう。アメリカの学会は広報活動や寄付金集めなどをして、予算を獲得していると思われる。British Medical Journalは無料で閲覧できる。しかも、図表がPower Point用に利用できるようになっていて、便利である。この点など、日本は遅れていると思う。

http://bmj.bmjjournals.com/

http://content.nejm.org/

http://brain.oupjournals.org/

http://jnnp.bmjjournals.com/

http://www.neurology.org/

http://stroke.ahajournals.org/

http://www.ajnr.org/

http://archneur.ama-assn.org/

http://www.pnas.org/

http://www.sciencemag.org/

http://www.jneurosci.org/

http://www.natureasia.com/japan/index.php

http://www.jci.org/

2月24日

臨死体験を立花隆氏に質問した

福井で遺伝医学に関する生命倫理会議が当地で開催されたことがあった。その時に一般人向けの講演を依頼する人選を考えたが、僕は立花隆先生か、梅原猛先生のどちらかがいいのではないかと提案し、立花先生に決定した。さすがに著名人であり、聴講者はホールいっぱいにあふれた。遺伝と遺伝情報について話をしていただいた。レセプション・パーティの席でパーキンソン病患者の幻視の話をした。その当時、彼は文芸春秋で『臨死体験』の連載を発表中だった。相手が偉すぎて尊敬する人だったので、質問を躊躇したが、勇気をもって質問した。彼はその時、それは霊魂説を出さなくても説明可能と考えている科学者もいると答えた。

先生は、結論としては体外離脱は本当の体験か、幻覚かのどちらになるのでしょうか?と僕は質問した。

結論は、どちらともいえないということですと答えた。

 立花氏は名著『臨死体験』で臨死体験における不思議な視覚現象(見えるはずがないものがなぜ見えるのか)をきれいに説明する理論は何もないと結論している。その結果、三つのとるべき態度を示した。

1) 見えたというのは、誤りで、でっちあげか、偶然の一致か、錯覚か、思い違いであるとして、事実の存在を否定する態度。

2)そういう事実が存在することは認めるが、それを科学的に説明する理論がないことも認めるが、いずれは科学的に説明可能と期待して、とりあえずは、この問題を棚上げにしておく態度。

3)他の説明が不可能だから、現実体験説を受け入れる態度。

 彼は2番目の説を選択しようとしたが、3番目の説も正しい可能性はゼロではないと指摘した。しかし、第3の説は魂(あるいは精神)の存在を受け入れ、肉体と魂という二元論を受け入れ、人間の意識の座は魂の側にあるとする考えを受け入れることにつながる。

 立花氏は現実体験説=魂仮説=死後の世界仮説も多くの矛盾があると、5つの問題点を指摘した。自分なりの反論を加えるが、こういう分野の解釈はハードな証拠が全くないため、あくまで類推でしかないことをお断りしておく。

1)「体験の具体的内容に個人差と文化差がありすぎる」  

反論:死後の世界は一様ではなく国別、宗教別など、多種多様な世界がないと死んだ魂が死後、あの世に行った時、迷ってしまうと推定される。あの世の世界が画一的であると想像するのは間違っていると思われる。

2)「夢の中での体験と同じように、突然場面が転換し、瞬間的に全くちがうところにいったりするのはなぜか。現実体験なら、途中のプロセスがあってしかるべきなのに、それが一切ない」

反論:この現象自体が魂の性質を表していると解釈もありうる。夢と同じように、魂は瞬間的に移動可能なのかもしれない。なぜ人は何故夢を見る必要があるのかという問題がある。夢は生理学的にいろいろな役割があることは間違いはない。個人的意見では、夢の中でまれに魂がいろんな世界(未来、過去、あの世)へ行っている場合もあるのはないかと思う。あの世へ旅立つのは夢のようであり、死んだ夢からさめない場合が結局、本人が死ぬということであると思う。

3)「魂が意識的経験主体であるならば、肉体を離れた魂それ自体に視覚、聴覚の感覚能力があり、考える力、感じる能力もあるということなるなら、人には感覚器官や脳などというものはいらないのではないか」

反論:これは根本的に間違った推論であり、無神論者の言葉である。ネアンデルタール人の脳が進化して死者の弔いができるようになり、脳の作用により宗教が出現してきたと解釈されることが多いが、本当にそうなのだろうか?
 現実世界では人は肉体を持ち、霊長類の最終段階の進化した生物として、Homo sapiens sapiensとして巧妙な脳組織を獲得した。この世に肉体を持ち、現実世界で多種多様な人たちと交流することにより、また、独自で思索を深めることにより、精神(魂)の進歩・発展がみられる。あの世の世界の構造ははっきりしないが、魂だけの存在だけではいろいろな貴重な経験ができないように思われる。魂の学習のためには、この娑婆世界(極楽あり、地獄ありの世界)で、優れた脳コンピューターを持つ肉体をもって様々な経験をつんだほうが、学習効率がいいのではないか。

4)「臨死体験で、まだ生きている人にあうことがあるのは何故かという問題である」 反論:源氏物語でもでてくるが、生き霊という場合もあり、また、個人の魂の本体は、あの世にいるという説もあるので、別に生きている人が臨死体験時に出現してもおかしくないと思う。

5)「現実体験説では説明がつかない体外離脱をどう説明するかという問題がある」   反論:脳内現象説の弱点は遠く離れた地点での出来事の正確な目撃情報を解釈できないことであり、また、未来を前もって経験する現象も全く説明不能であることである。かなりの部分は脳内現象説で説明可能だが、肉体とは別に魂の存在を仮定したほうが、説明がよりしやすくなるが、間接証拠だけであり直接証明は科学がどれだけ発達しても不可能と思われる。

 立花氏は、「脳内現象説には現実の脳研究から、脳と自己意識の問題がさっぱり解明されていないという大きな弱点がある」と述べている。彼は現実体験説を反駁することに終始し、彼自ら臨死体験を起こす脳のメカニズムをきちんと解明して提示しているわけではないと反省している。彼の立場は基本的には脳内現象説が正しいだろうが、もしかしたら、現実体験説が正しいかもしれないと、そちらの説にも心を閉ざさずにいるという非常に柔軟な考え方をとっている。

 僕自身の考え方は、大部分は脳内現象説でいいのだが、やはりそれとは別に魂という個人を識別する存在が、個人が生きている間は脳とつながっていると仮定したほうが、今まで報告された症例報告における現象をうまく説明できると思っている。

 しかし、どうして、肉体とは別に魂があるという考えを受け入れることができないのか、不思議である。僕は何故、人が死んだら葬式をやり、墓を作り、毎年お盆には墓参りし、先祖を供養する必要があるのかと、大学生の頃考えたことがある。当時は唯物論者であったため、人間死んだらおしまいであり、葬式とかを始めとする宗教は迷信で間違った習慣であると思っていた。

 しかし、毎年、神社にはお参りするし、死者の弔いには冥福(あの世での幸せ)を祈りますといって、まるであの世があることを前提として、この世の中が動いていることに気づき、これは何か意味があるのではないかと疑問を持ち探求した。バートランド・ラッセルの影響を受け、自叙伝や西洋哲学史や幸福論などを読んでいたが、彼は無神論者であった。第1原因をつきつめていけば、その前はどうなっているのかということになり、無限にさかのぼっていくことになる。欧米では無神論者は人ではないというふうに思われていて、変人と思われるそうだ。世界の人口から見ると、無神論者は少数である。ニュートン、エジソン、アインシュタインなどの科学者は神の存在を信じていた。

 エジソンは晩年、霊界通信機を発明しようとしたが、不成功に終わったようだ。 『たとえ、1%でも、ハイヤー・パワーの知性の存在を確認できれば、努力も実を結ぶ。それがなければ、いくら努力しても無駄なこと。この発想の原点であるリトル・ピープルの声、すなわち、1%のひらめきが最も重要なのだ が、皆このことがわからないようだ』  

 彼の1%のインスピレーションと99%の努力の話は有名であるが、実際は、99%努力をしても、1%のインスピレーションがなければ成功しないということで、高次世界の存在を信じていたようだ。

 エジソンは、『エネルギーが不変である限り、人間の魂は宇宙の中でなくなることはない。魂や心は肉体から離れても、エネルギー自体は存在し続け、このエネルギーの蓄積こそが人間の記憶のものになる。』と言っている。さらに、『思えば、これらの発明に至るための準備と言うべき 情報を、前世で蓄えてきたからこそ、できたことであり、今世でその成果をつみとっただけなのです。私は死ぬまで、 仕事を続けるつもりです。それが私の今世の役割だからです。それが終われば、速やかに来世に旅立つ心づもりでいます。そして、来世でも、現世で解明できなかった研究を続けることになると思います』 (快人エジソン伝より)

 以前テレビでイタリアの靴職人であるピルガモの伝記が放映されたが、彼は前世の記憶を取り戻して靴の制作に励み、実際に過去の遺跡が発掘された時、今世で作った靴と全く同じデザインの靴が発見され、その靴をつくったのは前世のピルガモ本人であったと述べていた。

 ところで、神経内科の先輩で、くも膜下出血で亡くなったM先生がいるが、亡くなる1年前に、東京でのある研究会があった時に、たまたま同じホテルにとまり、夕食を一緒にした。その時の話題として、死んだら人間の魂はどうなるのかなという話をしていたが、彼は難しい質問だねと言われた。その時、もし先生が死ぬようなことがあったら、何か合図でもしてもらえませんかと、不謹慎なことを言ってしまった。その1年後に亡くなられたが、1年前のことを思い出し、葬儀の最中に何か起こるのではないかと期待した。すると、昼間ではあったが、急に寺の鶏がコケコッコーと鳴きはじめた。何度も異様な程、やかましく鳴き、その鳴きかたがM先生にそっくりだった。彼は時々、急に突拍子もなく、雄叫びをあげるのが特徴だった。僕は思わず、隣にいた同僚に今の鶏の鳴き方はまるで、M先生にそっくりだなといったら、その同僚も同じことを思っていた。しかし、偶然の可能性があるので、少し様子をみていた。M先生の教え子が遺体と対面し始めたらピタッと、鶏の鳴き声がやんだ。それで僕は確信した。約束を守ってくれたと、有り難く思い合掌し、ご冥福を祈った

 

2月16日

現代のカリスマ納光弘教授の講演

2004/11/11

現代のカリスマ納光弘教授の講演

鹿児島大学教授の納先生の講演を拝聴した。タイトルは、神経内科散策雑話-これ程感動できる分野が他にあるだろうか-

予想したとおりのパワーにあふれた講演内容だった。彼のHPを見ると、彼がどういう人物であるかがわかる。学生時代に自転車で日本縦断に成功した話が感動の最初であった。

目標を定めて、それにむかって歩み続ければ必ず目標に達する。

目標は高いところに設定しよう。ただし、努力することが必須。

また、疫学調査の重要性が話された。l-dopaが著効したジストニアを呈するパーキンソン病の女子高校生の話も感動的だった。瀬川病の患者であったが、患者から始まる臨床的報告の重要性が指摘された。(http://www.jungle.or.jp/bilis/sympo/sympo03/symp35.htm

:瀬川病)

留学先のMayo ClinicEngel教授への質問は、”なぜ、たくさんの新しい病気が発見することができたのですか”だった。

”チャールズ1世の白馬ときこりの話を知っているか?”

”白馬が行方不明になった時に見つけてきたきこりを王はあやしく思い、きこりにどうして白馬を簡単に見つけることができたのか?”

きこりは答えた。

”森を知り、馬を知れば、居所おのずとわかります”

Engel教授は、そう返事しただけだった。

納先生は合点がいき、次のように解釈した。

”日頃から勉学を積み、文献をよく読み、臨床を大切にし、患者さんをよく見れば、新しい病気が発見される、病気の原因がわかる”

http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/index.html (納 光弘教授のHP

http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/wakamononi/kounannjyuku-kouenn/kounannjyuku.htm (若者よ、夢を限りなく大きく)

PS:本日のクローズアップ現代で、鹿児島の芋焼酎が取り上げられていた。今年の日本神経学会総会は、納教授が会長である。芋焼酎は飲んだことがないので、懇親会で一度味わってみようと思っている。

http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~intmed3/ham/ (HAMの病態と治療)

2月15日

広島原爆、白血病

1999年8月9日

被爆二世

 本日は長崎原爆の日、8月6日は広島原爆の日だ。僕の父は広島に原爆が投下された翌日に1日だけ広島にいたため、原爆手帳を持っていた。僕は被爆二世なので、医学生になった時に、加藤周一著の羊の歌を読んだことや血液学の講義などを聞いて、僕自身将来白血病になるのではないかという危惧を持っていた。当時、名大第一内科の山田一正先生が熱心に実験的白血病の講義をされていて、人の白血病は一部ウイルスが原因のものがあるに違いないと強調されていた。残念ながら、彼はそのウイルスを発見できなかったが、HTLV-1が成人型T細胞白血病の原因ウイルスとして発見された。

 僕の恩師の祖父江逸郎先生は数年前に神経内科OB会で興味あることを話されていた。彼は戦艦大和の軍医であったが、当時の上層部の適切な判断(日本の将来を担う超優秀な人材であるためであろう。海軍兵学校を首席で卒業)により、最後の戦いの時には途中で下船させられたらしい。広島に新型爆弾(原爆)が落とされたころ、先生は呉の海軍兵学校の教官だった。新型爆弾が落ちたということで、彼を含む医師団が1週間後に広島の被害状況を視察に向かった。惨状はなはなだしいものであった。病院のレントゲンフィルムが感光していたが、鉛で遮蔽していたフィルムは感光していなかったので、原爆ではないかと判断したが、ずっと極秘事項だったそうだ。

 また、戦後、南方の諸島からの帰還兵を召還させるために、彼1人が軍医で乗船した。帰りの船にはアメリカの医師も乗り込んでいた。帰還の途中にその軍医から、いろいろ教えてもらったが、敵国の軍医というような関係ではなく、医療を実践する同じ使命を持つものとして、対等に処遇してくれたそうだ。また、すでに乾燥血漿を保有していて、病気の日本兵士の治療に使用を許可してくれた。こんな人間的にも素晴らしい軍医と医療を持つアメリカと戦争したとは無謀だったと悟られたそうだ。

 なお、彼が呉の海軍兵学校の教官だった時の学生の一人が、元鹿児島大学学長井形昭弘先生だった。井形先生は八高-東大の先生で、どうも人に対して怒ったことがない先生のようだ。彼は脳死臨調の委員だったが、21世紀の医療を考える会の座長の要職をされている。僕が福井に来る前に短期間在籍していた国療中部病院の院長だった。祖父江-井形-そして、現在の院長は前信州大学教授で現日本神経学会理事長の柳沢信夫先生だ。(現在は国立長寿医療センターに衣替えした)

http://www.kanazawa-med.ac.jp/gakuho103/2-7p.htm (祖父江先生の講演の要約)

2月12日

丸木一成先輩

丸木一成と言う名前を読売新聞で見るようになったのは、10数年前からだろうか。もしかしたら、名古屋大学ESSに在籍していた時にお世話になった1年先輩の教育学部出身の人物ではないかと思って、Google検索を行った。読売新聞社に入社したという話は聞いたことはあったが、30数年前のことだ。彼は医療改革に関わる会議や研究会のメンバーとして大活躍している。そのうちにお会いできる機会があるかもしれない。

5月号の日経メディカルに、神経内科医として僕も参加した、“尾張地区脳梗塞エリア連携座談会―テーマ:急性期病院と回復期リハビリテーション施設における連携”が掲載予定である。そのうちに、丸木さんにメールを送ってみようと思う。

 なお、専門雑誌である神経内科の特集:大脳皮質梗塞による限局性運動麻痺、“Isolated hand palsy”の原稿を締め切り予定日より4日遅れて提出したが、提出日から6日後に校正原稿が届いた。一部に誤記があったが、出来ばえは60点ぐらいであろう。

来月は研究会での発表が2件(高齢発症の多発性硬化症患者の一剖検例、てんかん重積患者の一剖検例)や医師会での講演会(脳梗塞慢性期の治療―脳卒中治療ガイドラインについて)が1件あり、現在準備を進めている。臨床が忙しく大変であるが、この機会に経験症例をまとめておきたいと思っている。

PS :東大医学部:“医の原点”講義

http://www.m.u-tokyo.ac.jp/inogenten2004/2003.html#6

上記からの引用:

「医療ルネサンス」の連載を通じて 

丸木 一成(読売新聞東京本社医療情報部)

1971年名古屋大学教育学部卒業。読売新聞社入社。社会部、経済部、生活情報部次長を経て、97年医療情報室次長。2000年医療情報部長。92年に健康医療問題取材班デスクとして、「医療ルネサンス」の連載を担当。同企画は96年菊池寛賞受賞。

【講義概要】

国民の3人に1人は、日常受ける診療に不満があるという世論調査がある。国民皆保険を実現し、健康寿命が世界のトップクラスの国で、なぜ患者満足度が低いのだろうか。1992年から読売新聞で「医療ルネサンス」という連載を通じ、がん、心臓病など現代病の予防・治療からカルテ開示まで様々なテーマを取り上げてきた。治療・検査のめざましい進歩に加え、この10年間で一番感じるのは患者意識の変化だ。「お任せ」から「選ぶ」医療への転換ともいえる。満足度の低さは、「医療の質」を求める患者の不満の現れとも考えられる。

患者と医療者の溝を埋めるには、患者も自分の病気に関する基礎知識はもつなど「賢い患者」になる努力が求められる一方、医師の技量を含めた「医療の質」の情報公開が必要だろう。第三者機能評価の充実、インフォームドコンセントの推進、標準治療法をわかりやすく患者に提示―などの方策も求められる。医師による診断と治療だけが「医療」という時代から、医療情報を共有し、患者の納得のうえで治療という時代に変わりつつあるように思える。